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国原譜

恒例となった「おもしろ歴史フェスティバ…

 恒例となった「おもしろ歴史フェスティバル」が今年も明日香村で始まった。4日は刀匠の河内國平氏が講演した。

 河内氏は東吉野村に鍛刀場を構え、多くの弟子を育ててきた。集英社発行の「刀匠・河内國平鍛錬の言葉 仕事は心(しん)を叩け」に、次のような語りがある。

 「もし本気で伝統工芸を守るのだったら、それに携わる底辺の職人を守らないとダメです」。炉の温度調整に欠かせないふいごも、それを作る鞴師(ふいごし)がいないのだという。「松炭もいいのが手に入りにくくなってきた」と河内氏は嘆く。

 よく出来た道具も使いこなせる職人がいればこそだが、道具そのものが供給できなければ伝統工芸に与える影響は大きい。技術の継承は全体を俯瞰(ふかん)して考える必要がある。

 4日の会場では「石切丸」などの名刀も展示された。さまざまな職人の結晶体として刀剣を見れば、輝きの感じ方も違ってくるだろう。

 奈良筆、一刀彫、赤膚焼―。県内には数多くの伝統工芸が息づいている。それぞれが職人の層としてあることを、河内氏の言葉は教えてくれる。(増)

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