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国原譜

一気に立ち昇った噴煙、かつて見たことの…

 一気に立ち昇った噴煙、かつて見たことのない速度で迫る巨大な火砕流の“帯”―。消防団員や報道関係者ら43人が亡くなった雲仙・普賢岳の大火砕流から昨日で25年となった。

 今もしばしば使われる「想定外」の出来事だった。多くの犠牲者を生んだ災害の反省に立ち、以降「報道の前にまず身の安全の確保」が災害報道時の教訓として残された。

 その後も、日本列島においては阪神淡路大震災・東日本大震災をはじめ、今回の熊本地震など多くの地震や台風・豪雨被害に見舞われている。そのたびに25年前の教訓がよみがえる。

 数年後に現地で見た火山灰に埋もれた民家のことを思い出している。周辺では「がまだす」(頑張る)を合言葉に、ビールが造られたりして復興が進められた。

 島原市にある「雲仙岳災害記念館」(がまだすドーム)では火砕流について学ぶ有料ゾーンへの入館者数が、開館した02年度の約35万人から減り続け、15年度は約9万5千人だったという。

 ここでも記憶の風化が進み、悲劇をどう伝えていくかが課題になっている。語り部の奮闘が求められている。(恵)

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