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国原譜

橿原神宮で重要文化財の文華殿が一般公開さ…

 橿原神宮で重要文化財の文華殿が一般公開されている。天理市にあった織田家の旧柳本藩邸を移築したものだ。昭和42年の移築まで、小学校の校舎として使われていた。

 現在の趣からは想像もつかないが、案内してくれた神職さんが「この座敷が教室。ここにピアノがあって、あちらに子どもたちが座っていたようです」と説明してくれた。

 場所を変え、用途を変えて受け継がれる木造建築の生命力に驚かされる。唐招提寺の講堂が平城宮の東朝集殿であったのはよく知られた話だが、1300年近く経た今も、その空間が朽ちることはない。

 ちなみに、鑑真和上坐像を安置する同寺の御影堂は、興福寺一乗院から県庁、奈良地方裁判所と用途を変えて同地で生まれ変わった。

 移築して受け継がれる木造建築は他にも多数県内にある。傷んだ材は入れ替えることができる。長年の風雪に耐えた木造建築の保護は再生の物語でもある。

 熊本地震では多数の文化財が被災した。熊本城の惨状には驚くばかりだ。だが、再生の日は必ず来る。国内にはそれを可能にする技術と経験が蓄積されている。(増)

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