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国原譜

規模の大小を問わず、古墳の埋葬施設が未…

 規模の大小を問わず、古墳の埋葬施設が未盗掘で見つかることは極めて少ない。国宝の壁画で知られる高松塚古墳も、石室には大きな盗掘坑が開いていた。

 目立つように造られたのだから狙われるのは当然だが、川西町の「島の山古墳」では、埋葬時の姿がそのまま現れた。

 木棺を覆う粘土の上に130点を超える腕輪形石製品が中を守るように並べられ、大量の玉類がまかれていた。調査は前方部で、被葬者は女性司祭者のような存在という。

 未盗掘で見つかる意義が大きいのは、副葬品の構成はもちろん、葬送の儀礼に迫ることができるからだ。島の山古墳のように大王級の前方後円墳となればなおさらで、その成果は考古学史に輝く。

 調査から今年で20年を迎え、県立橿原考古学研究所付属博物館では特別展も開かれている。用地の買収もおおむね終わり、町は平成35年ごろまでに史跡公園として整備するという。

 島の山古墳は大和川水系の要衝にあり、4世紀末の築造とされる。後円部に眠ったであろう古墳の主と女性司祭者へのアプローチが、「空白の4世紀」に光を当てる。(増)

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