国原譜
3月までテレビで放映されていたアニメ「…
3月までテレビで放映されていたアニメ「おそ松さん」は、赤塚不二夫原作の漫画「おそ松くん」を現代風に脚色していた。ギャク漫画の神様と称された赤塚の精神は現在も生きている。
今は知る人は少ないかもしれないが、赤塚は戦後、旧満州から引き揚げ、母の実家がある大和郡山市で多感な少年時代を過ごした。
「わずか2年そこそこの大和郡山であったのに、よくもこれだけ懐かしい思い出があるものと自分でも驚く」と自叙伝(文春文庫)にある。
「遊びも悪戯(いたずら)もずっこけも、まさに『おそ松くん』の世界そのものを生きた」(同)。チビ太ほか、漫画に登場する多くのキャラは、当時の市民をモデルにしているという。
悪ガキ仲間と何度も警察のやっかいになった。しかし、その番長は、障害があるため運動会に参加できない子のために赤塚を付き添わせたほど人情味があった。
メチャクチャなギャク作品の奥に、人間への深い愛情が隠されている。バカボンのパパの名セリフが、何か無限の温かさを感じさせるではないか。「これでいいのだ」。(栄)
今は知る人は少ないかもしれないが、赤塚は戦後、旧満州から引き揚げ、母の実家がある大和郡山市で多感な少年時代を過ごした。
「わずか2年そこそこの大和郡山であったのに、よくもこれだけ懐かしい思い出があるものと自分でも驚く」と自叙伝(文春文庫)にある。
「遊びも悪戯(いたずら)もずっこけも、まさに『おそ松くん』の世界そのものを生きた」(同)。チビ太ほか、漫画に登場する多くのキャラは、当時の市民をモデルにしているという。
悪ガキ仲間と何度も警察のやっかいになった。しかし、その番長は、障害があるため運動会に参加できない子のために赤塚を付き添わせたほど人情味があった。
メチャクチャなギャク作品の奥に、人間への深い愛情が隠されている。バカボンのパパの名セリフが、何か無限の温かさを感じさせるではないか。「これでいいのだ」。(栄)