議会の決議をどう思っているのか、理解しかねる。奈良市の新斎苑(火葬場)問題は、今や県内の各首長も大きな関心を示している。

　横井町の山林を計画地とする案は、地元の自治連合会から提出された「白紙撤回」を求める請願が採択されている。さらに予定地に近接する町からも計画反対の請願が出ている。

　にもかかわらず、仲川元庸市長は横井町にこだわり続ける。一度は候補地をドリームランド跡地にと方針転換し、それがダメになると、やっぱり横井町という。

　議会が新年度予算で修正案を可決したのは、「適地でない」と断を下したのだ。そのことが分かっていない。こうした議会のルールが理解できないのか。

　地元の理解を求めるために仲川市長自らが個別訪問しているといい、「反対意見もあるが、理解しようという人もいる」という。その割合がどうなのかは明らかにしていない。

　地元への説得行脚で、反対意見が多かったら潔く断念するのか。それでも説得し続けるのか。いつまでも議会を軽視することは許されまい。ことは進退が問われているのだ。(治)