特集奈良の鹿ニュース

国原譜

活字に携わる者として、言い続けておきた…

 活字に携わる者として、言い続けておきたい日がある。今月23日のサン・ジョルディの日のことだ。

 大切な人にバラや本を贈る、スペイン・カタルーニャ地方の聖人伝説由来の行事であることは、以前本欄で記した。一方、ひところ国内での普及に熱を入れていた、出版関連業界の冷めた状況は今年も続く。

 発祥の地の当日の様子を写真で見たことがある。街角に本や花を扱う多数の店による市が立ち、愛する人に贈り物を選ぶ人々の姿はおしゃれで、ほほ笑ましい。

 県内各地の図書館でも、さまざまな手法で読書活動活性化を図っている。そんな中、ストーリーのある、読書好き拡大のきっかけになり得る材料をこのまま手放すのは惜しい。

 定着化したバレンタインデーのチョコやハロウィンの仮装に習い、日本流に脚色、変更するやり方もある。子や孫に本を贈る日などと、打ち出し方を変えてみてはどうか。

 23日は、ユネスコの「世界図書・著作権デー(世界本の日)」、文部科学省の「子ども読書の日」でもある。関連付けて活字文化の未来に波紋を起こすことは、まだできる気がする。(智)

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