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国原譜

天理市の国道169号を走ると、東側の車…

 天理市の国道169号を走ると、東側の車窓に緑美しい山が見える。標高約586メートルの龍王山で、その頂を取り込んで龍王山城が築かれていた。

 北城、南城で構成される城域は、規模の判明している中世城郭では県内最大。奈良盆地を広範囲に支配した十市氏の居城だった。天理市のシンボルといえる遺跡だろう。

 永禄3年、十市遠勝の娘・おなへと松永久秀の息子金吾の祝言がこの城で営まれた。十市氏は松永氏の支配下にあり、おなへは人質だったようだ。

 松永氏が織田信長に滅ぼされたのはわずか2年後。龍王山城は破却され、山中に残るわずかな石垣や土塁跡が面影を伝える。金吾は久秀のおいともいわれるが、共に滅んだ。

 今春始まった本紙連載「やまと城めぐり」で、執筆者の一人、泉武さんと龍王山城を訪ねた。城内には敵兵を誘い込む仕掛けがいたる所に施されていたという。

 NHKの大河ドラマ「真田丸」が好評だが、県内にあった大小の城郭にも必殺の工夫が凝らされ、それぞれに栄枯盛衰の歴史があった。古代史に埋もれがちな城郭のドラマにも、目を向けていきたい。(増)

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