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国原譜

バブル経済後の平成2年、日本の実業家が…

 バブル経済後の平成2年、日本の実業家がゴッホの絵「医師ガシェの肖像」をオークションで落札。当時約125億円の価格は世界を驚嘆させた。

 ゴッホは生前、ほとんど絵が売れなくて極貧の中、亡くなったのだから何とも皮肉。美術作品は芸術品であるとともに投資の対象でもある。美術と経済との関係は、なかなか興味深い。

 県立美術館がこのほど、展覧会の経済効果をまとめた。「単なる集客人数だけでなく、観光消費額による地域に与える経済効果が重要」というユニークな視点からの分析だ。

 昨年開催された浮世絵版画展の入場者からアンケート調査。観覧者総数から総消費額を積算すると、1展覧会(2万人規模)なら約3億円前後の経済効果があるとみられるという。

 もちろん、宿泊など波及する消費すべてを含めての数字だろうが、集客力のある展覧会を開くことが経済活性化につながるのが数字で明らかになっている。

 県の豊かな文化を生かした質の高い展覧会を開くことが、大きな経済効果につながるのなら一石二鳥ではないか。県立美術館の取り組みに注目している。(栄)

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