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国原譜

世界でいちばん貧しい…そんな呼び名が、…

 世界でいちばん貧しい…そんな呼び名が、蔑称ではなく愛称として親しまれる南米ウルグアイの前大統領が来日、その言動が関心を集めている。

 会見では欲望にとらわれない生き方を説き、どんな夢を将来に描くのか、日本人に問い掛けた前大統領。一昨日は広島の平和記念公園も訪問した。

 積み重ねてきた経験、実践から発せられる言葉は含蓄に富む。ウルグアイの国情や文化に疎いが、バブル経済の崩壊後、国内でも盛んに語られた清貧という言葉を思い出す。美徳は共通する。

 また指摘の中には理想というだけでは済まない深刻さがある。自然や平和に取り返しのつかない傷を負わせないよう、世界の危機に警鐘を鳴らす。

 決して激しくはないが、厳しい前大統領の批判をどう聞くか。同じく広島で開かれたG7外相会合に話題をさらわれた感もあるが、市民よりむしろ政治家にこそ真剣に耳を傾けてもらわねば。

 さて現実はと見れば、税金逃れの醜聞が世界を揺るがし、足元では自治体トップの横暴がまかり通っていたりする。これでは“世界でいちばん貧しい政治”になりかねない。(松)

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