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国原譜

世界遺産のシリア・パルミラはシルクロー…

 世界遺産のシリア・パルミラはシルクロードの中継都市として栄えた。県立橿原考古学研究所の調査団がこの遺跡で若い女性の遺体を発見したのは平成15年だった。

 地下墓にはロッカーのような棺棚が設けられ、そのうちの一つに18歳ぐらいの女性が葬られていた。

 添えられていたのは銀製の指輪などが入った象牙の容器と化粧具。胸の上には青銅製の腕輪が乗せられていた。盗掘の手は及んでいなかった。

 調査隊長の西藤清秀氏(現橿考研技術アドバイザー)は「若くして死んだ娘に対する家族の思いが伝わってくる」と早すぎる死を悼んだ。他の埋葬施設でも多くの副葬品が見つかった。

 現在の国名はシリア。調査後に修復された地下墓は内戦で略奪され、いくつもの棺棚が荒らされた。過激派組織「イスラム国」の制圧下では、有名なベル神殿など、遺跡自体の破壊が進んだ。

 シリア政府軍は先月、10カ月ぶりにパルミラを奪還したが、遺跡の周辺には多数の地雷が埋められたままという。修復への道は遠いが、美しい遺跡が本来の姿を取り戻し、観光客でにぎわう日を待ちたい。(増)

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