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国原譜

新年度になった。出発や着手、刷新といっ…

 新年度になった。出発や着手、刷新といったキーワードで新たな事象が見られるが、商業店舗でも年度替わりを実感することができる。

 書店もその一つ。県内書店の店頭でも、辞書類のフェアが盛んだ。教育現場ではもとより、多様な講座が始まる時期には必要性が高まるのだろう。

 用字、用語の検索には電子辞書やインターネットの利用が普及しているが、アナログの辞書も捨てがたい。目的の言葉、字句にたどり着くまでにデジタルより手間取るかもしれないが、より五感を使う要素があるからだ。

 同時通訳の草分け的存在だった国弘正雄さんは、英語習得での音読、書き写しの重要性を説いた。五感のうち一つでも多くを同時に動かし、「運動記憶」に訴えることが言葉を身につけるために欠かせないと。

 時間に制約のある中で、文明の利器は確かに便利だ。けれども、言葉を本当に自分のものにするには、やはりひと手間が必要となるのだろう。

 小学校の授業では、辞書の引き方を学ぶ学習もあるようだ。言語能力向上に末永い友となりそうな紙の辞書の存在も、ぜひ大事にしておきたい。(智)

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