特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

コンビニでペットボトルのお茶を買った。…

 コンビニでペットボトルのお茶を買った。値段は150円。その代金は、コンビニのレジに収まった後、どこへ行くのか。との問題がある。

 コンビニの売り上げとなるのはもちろん、商品の製造メーカー、コンビニへ商品を配送する運送業者、茶栽培の農家が、考えられる。

 それだけではない。ペットボトル製造業者、その製造のための石油を運ぶタンカー会社、デザインのためのパソコンやデザインソフトのメーカー、肥料、農具メーカーなどと無限に広がる。

 「ペットボトルの背後には、何百人、何千人、何万人もの人たちが見えます」。これらを指摘した「投資家が『お金』よりも大切にしていること」(藤野英人著、星海社新書)を読んで、目からウロコが落ちた。

 逆に、人は150円のペットボトルを買うことによって、数多くの人々に貢献しているともいえる。無職でも子どもでも誰でもが消費することによって。

 「人は、ただ生きているだけで価値がある」と藤野氏。フェリーニ監督の映画「道」の名セリフを思い出した。「この世で役に立たないものは何ひとつない」。(栄)

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