特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

昨年暮れに亡くなった沖縄芝居の第一人者…

 昨年暮れに亡くなった沖縄芝居の第一人者だった平良とみさんは、沖縄言葉にこだわった。理由には沖縄芸能の継承と併せ、言葉が精神、文化の基本だとの思いもあったようだ。

 言葉(母語)が国や地域、民族の存在のより所であることは、古今東西繰り返し語られる。言葉の消滅は文化の消滅だとして。

 言葉と同様に大切な文字の扱いで先月、気になる方向性が示された。文化庁の文化審議会国語分科会は、漢字の手書き文字は「とめ」「はね」による正誤はなく、さまざまな字形を認めるとする指針を公表した。

 確かに日常生活では、細部にこだわることもない。だが一つの漢字を、意味、成り立ちを含めて習得していく観点からは、まず標準的な字形を学んでおく必要があるように思う。

 きちんとした「はね」「とめ」「はらい」には、文字を美しく見せる効果もある。先ごろ奈良市で開かれた「日本の書展」で、そんな作品に触れた人もいたことだろう。

 言葉や文字は意味、用法ともに変遷する側面もある。ただ、日本伝統の美意識とともに、文化としての根っこの部分は大切にしたい。(智)

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