あと5日ほどで東日本大震災から5年という節目の日を迎える。新聞やテレビでも最近、特集企画が増えてきた。

　この時期に集中して報道されることについては異論も聞くが、被災地のことを忘れず、一過性にならないように、さまざまな継続的な報道や支援を続けていくことが肝要だ。

　個人的な話で恐縮だが、5年前のあの日、父が肺の手術をした。手術後に主治医の話を聞き、病棟の待合室で見たのが、あの大津波の映像だった。国民の大多数と同様に言葉を失った。

　復興、復興と叫ばれながら、前に進んでいる部分と、そうでない部分の格差が広がるばかりであるように思えてならない。支援といっても、東北地方産の商品や地酒を買うぐらいしかできていない。

　そんな折、アベノの近鉄百貨店本店で東北6県の物産展が開かれ、宮城県石巻市と女川町の高校生が地元の特産品をPRしているという記事が載っていた(3日付11面)。

　「生産者のこだわりや思いを伝えたい」との談話があった。まじめで見事な仕事ぶり…。ヤジを飛ばし、人の話を聞かない無責任な国会議員に聞かせたい。(恵)