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国原譜

著名なホテルと小説家の組み合わせ例は多…

 著名なホテルと小説家の組み合わせ例は多い。シンガポールのラッフルズホテルは、英国のサマセット・モームが愛した。彼は「ラッフルズ、その名は東洋の神秘に彩られている」と。

 東洋と西洋の架け橋、トルコ・イスタンブールのぺラパラスは、ミステリーの女王アガサ・クリスティが「オリエント急行殺人事件」を執筆したホテルだ。

 随分前に、両ホテルとも観光旅行で訪れた。予算の都合上、宿泊はならなかったが、ロビーに足を踏み入れると、外の高級ホテルにはない空気感があった。

 日本では5月に開催される伊勢志摩サミットの主会場志摩観光ホテルがあげられる。山崎豊子が「華麗なる一族」「不毛地帯」などを生み出した。

 奈良市の県営プール跡地に、外資系高級ホテル「JWマリオット」の誘致が発表された。平成32年春の開業予定。国際観光地へ飛躍の拠点としたいという。

 「ここを定宿に小説家が名作を」と夢見るが、周辺の現状では心もとない。いわゆる夜の観光振興など街の活性化が必要だ。ふさわしい「舞台」がなければ、名作は生まれまい。(栄)

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