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金曜時評


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観光客増へつなげ - 編集委員 山下 栄二

2016年2月5日 奈良新聞

 1月29日から2日まで、奈良市の平城宮跡で開かれた県のイベント「奈良大立山まつり」(同実行委員会主催)は、来場者計約5万1000人(主催者発表)を集め幕を閉じた。「まつりの必然性がない」「事業費が約2億円と巨額過ぎる」などと批判も少なくなかったが、集客の面では約3万人の目標を大きく上回り、県は来年も開催する方針。初挑戦としては評価できるイベントだが、改善すべき点も少なくない。

 客足が落ち込む冬の観光のカンフル剤と県が企画。祭りの目玉として四天王をイメージした強化プラスチック製の大立山(巨大な人形)と山車を4基制作した。高さは立山が約3・5メートルで山車部分を合わせると約7メートルと巨大。内側から光を照らし、山車が練り歩く仕組み。期間中は付随した催しもあり、悪天候で初日こそ苦戦していたものの、土日曜を中心に会場は盛り上がりをみせた。

 開幕前は費用面のほかに「奈良時代の平城宮跡と何の関係もない立山祭りで人が呼べるのか」「青森の偽ねぶた」「イベントへの準備が拙速すぎる」などと一部で批判されたが、集客数字の面では成功といえるのではないか。四天王のデザインは彫刻家の藪内佐斗司東京芸大大学院教授が担当した。藪内氏のてがけた県のキャラクター「せんとくん」も当初は非難されたが、徐々に全国規模の人気を得るに至った。何か因縁めいたものを感じるとともに、大立山まつりも、より知名度のアップを願いたい。ただ、この祭りによる宿泊者数の増加や経済波及効果については、今後分析しなければならないだろう。さらに次回から大立山の追加も予想されるが、費用対効果についても検討が必要なのはいうまでもない。

 「会場が暗く、もう少し明かりがあってもよかった。一貫した流れのある演出も考えたい」と荒井正吾知事。会場の平城宮跡が広大で「客は入っているのに閑散とした感じがした」との観客の声もあった。初めての開催だったので、反省点が数多いのではないか。意見の一つ一つを拾いあげて今後の参考にしてほしい。

 県の大イベントとして、すでにスポーツの奈良マラソンが6回、音楽のムジークフェストが4回を数え、全国的な知名度を誇っている。陸上の障害競技でいえば、第一のハードルを越えたばかりの大立山まつり。これら「先輩イベント」に肩を並べるほどに成長するためには、さらなる進化が必要だ。

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