注目記事山下県政 世論調査の全結果掲載

金曜時評

「夏の陣」へ加速化 - 編集委員 辻 恵介

 年度末から新年度にかけ、今夏の参院選、奈良市長選に関係する動きが一気に活発化した。「夏の陣」へ向けて、各政党、各会派の動きは、ますます勢いづいていくと見られる。現状をおさらいしてみよう。

まずは参院選。県選挙区(改選数1)には共産党の谷川和広氏(34)、自民党の堀井巌氏(47)、政治団体「幸福実現党」の田中孝子氏(57)の、いずれも新人3人が立候補を表明していた。

 そこへ、先月30日、日本維新の会が初の党大会を大阪市内で開き、参院選の第1次公認候補として、選挙区11人、比例代表22人の計33人を発表。そのうち県選挙区で、同党と友好協定を結ぶ政治団体「奈良維新の会」代表で県議の新人、山本進章氏(58)を擁立することが公表された。

 同時に比例代表では、橿原市のまちづくり国際交流センター理事長の新人、吉田浩巳氏(51)の公認が決まった。

 2人とも橿原市周辺の中和地域が地盤で、勢いのある維新の風に乗って、どれだけ支持を伸ばせるかは未知数。大阪府民の維新に対する思いと、奈良県民のそれとは、温度差があろう。今後は、いかに顔や政策を県民に訴えていくか、運動のやり方が注目される。

 次に任期満了(7月30日)に伴う奈良市長選。参院選との同日選挙が予想されている。

 こちらは現職の仲川元庸氏(37)、同市議の池田慎久氏(44)が名乗りを挙げていたが、みんなの党と日本維新の会が共同推薦する県議の浅川清仁氏(58)が参戦を表明。激戦必至の乱戦模様を呈している。

 一方、早くから独自候補擁立を模索してきた自民党県連(奥野信亮会長)は、候補選定作業が難航。いまだ、その顔が見えていない。

 政権与党としての自負やメンツもあろう。安倍首相の景気対策「アベノミクス」へは世間の期待感が高く、支持率も良好に推移している今、さらに勢いをつけて参院選で勝つためには、県都の首長選での候補擁立は、避けて通れない重要課題と言えよう。

 7日には、奈良市内で「夏の陣」へ向けた党県連大会となる政治資金パーティー「県連結束の集い〜はばたけ日本」を開催し、地域での躍進を誓い合うことになっている。動きが取れない状況とあって、当日は参院選一色にして、やりすごすのではないかとの見方も出ている。

 かたや前回の市長選で、当時の政権獲得への世間の期待感そのままに〃上昇気流〃に乗り、仲川氏を推して当選させたのは民主党県連(前川清成代表)だった。今回は、党勢の消長からか態度を明確にしていない。

 また、共産党県委員会(沢田博委員長)は革新系市民団体と共同で、人選作業を進めているという。

 いずれにしても、今夏の「2大政治決戦」に向けては、まだまだひと波乱もふた波乱もありそうな気配。選挙戦の構図が固まるのは、まだ少し時間がかかりそうだ。

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド