国原譜

個人も会社も、窮地に追い込まれると、誰…

 個人も会社も、窮地に追い込まれると、誰かを頼って相談する。内容は金銭であったり、知恵や社会的影響力など、さまざまだ。

 自分で解決することができないから、助けてくれると思われる人にお願いする。いわば「苦しい時の神頼み」ということだろう。ところが、解決したらしたで、それっきりの人が多い。

 仕事柄、多くの宗教者の方にお会いして話を聞いている。やはり「平生が大事なんです」と諭される。健康に感謝し、環境に感謝し、人間関係に感謝する気持ちが必要と。

 ふだんの生活のなかでも、日ごろのお付き合いがあるからこそ、いざという時に助けてもらえるのだ。そんな付き合いもせずに、困った時だけ、助けを求める手合いが多い。

 それでも、骨を折り、何とか解決してあげようというのが人情でもある。その人の願いをかなえた、そこから新しい付き合いが始まる。

 ところが、その場をしのいだら、あとは知らんぷりという、身勝手な人が目につく。神様もそんな恩知らずは黙ってはいまい。感謝の気持ちは、その後の態度に出るから、人間でも見破ってしまう。(治)

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